Wataru@理学療法士・予防運動アドバイザーのカラダブログ

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側弯症について

本日は脊柱側弯症についてのお話です。

 

目次 

 

側弯症とは

側弯症とは、背骨が左右に弯曲し、ねじれを伴う病態です。

通常、小児期にみられる脊柱の変形を指します。

左右の肩の高さの違い、肩甲骨の突出、腰の高さの非対称、胸郭の変形、肋骨や腰部の隆起などの変形を生じます。

側弯が進行すると、腰背部痛や心肺機能の低下を生じることもあります。

 

側弯症の分類

大きく分けて、次の2つに分けられます。

1.特発性側弯症

発生頻度は1〜2%で女子に多くみられます。

原因不明とされており、基本的には胸部の右凸、右回旋の変形を認めます。

遺伝的な要素もあるとされていますが、多因子疾患(様々な要因が混ざり合って生じる)とされています。

背骨は基本的に横から見るとS字にカーブしていますが、多くの特発性側弯症のケースでは、フラットスパインといい、S字カーブが認めない、または少ないです。

また、脊柱の成長に関係があるとされている、メラトニンというホルモンの分泌量低下による影響も報告されています。

特発性側弯症の多くは構築性側弯症としても分類されます。

構築性側弯症とは、椎骨自体に変形や回旋を認めるものをいいます。

2.機能性側弯症

側弯症には、何らかの原因があり、二次的に生じてくるものも多いです。

日常生活やスポーツ動作などで生じた身体の左右差などが長年の習慣として積み重なった結果、脊柱の側弯が生じてくるケースがあります。

原因としては、脚長差や股関節の疾患による骨盤の高さの左右差、頭の形の左右差による頭部の偏移、スポーツなどによる片側性の動作の繰り返しなどがあります。

この場合は原因となるものを突き止めて、それに対する対処を行うことが重要になります。

特発性側弯症の中でも、機能性側弯症の要素を兼ねている方も多いです。

 

こちらのX線写真は、胸部左凸であること、腰椎の回旋に比べて胸椎の回旋をほとんど認めないこと、左側の骨盤が上がっていること、頭の位置がずれていることから、機能性側弯症の可能性が高いです。

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予防と治療

学校検診でもチェックをされているように弯曲を早期に発見することが重要です。

角度が小さいうちは、経過観察と呼ばれ定期的にレントゲン写真をフォローしながら経過を追っていますが、この時期から日常生活で悪化しないような姿勢をとるように心がけることや適切な運動を行うことも有効です。

角度の進行に伴って、装具療法や手術も選択されます。

手術については、メリット、デメリットをしっかりと検討した上で選択することも重要です。

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側弯症に対しての運動について

最後に、側弯症の運動についてです。

エビデンスに乏しいといって日本ではあまり医療現場で進められることはありませんが、ドイツなどの海外ではシュロス法を代表とした側弯症に対しての運動療法があります。

また、背骨の弯曲についても重力に対して身体が対応できず、負けないように筋力をつけることは非常に重要なテーマになります。

特にピラティスは重力に逆らうためのインナーマッスルを積極的に鍛えていくので、側弯症の方のトレーニングとしてもオススメできます。

側弯症も体の個性と捉えて適切な運動を行うことで、痛みなどの症状の軽減や姿勢改善、バランス能力の向上も期待できます。

側弯トレーニングセンターでは、ドイツのシュロス法をベースにピラティスの要素も取り入れながら日本人に合った側弯症に対するトレーニングを行います。

気になる方はチェックしてみてください。

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