Wataru@理学療法士・予防運動アドバイザーのカラダブログ

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腰痛予防のために重要な胸椎と肩甲骨

腰痛でお困りの方は非常に多いかと思いますが、その方のほとんどが腰回りの不安定さを認めています。

今回は、その腰回りの不安定さを軽減させるために重要な考え方をご紹介させて頂きます。

 

 

腰痛予防のために重要な考え方

1.腰部周囲の筋肉を使える環境を作る

脊椎の中でも、腰椎は構造的に不安定になりやすいです。

というのも、胸椎(胸部)の回りは肋骨で覆われているのですが、腰部の回りには腰椎の他に支えてくれる構造はありません。

そのため、本来は腰部周囲は腹部や背部の筋肉で支えなければなりませんが、この筋肉が衰えていく、使えなくなってしまうと途端に腰部の不安定さが出てきます。

 

これらの筋肉を使うために必須の条件が、身体を重力に逆らう方向へ伸ばすことです。

このことは、ピラティスではエロンゲーションといったり、軸の伸長といいます。

エロンゲーションすることによって、自然と脊柱の生理的な弯曲が出現し、腰部周囲の筋肉は本来あるべき位置(ニュートラルポジション)に戻ってきます。

その結果、腰部周囲の筋肉は適切に働きやすくなり、結果として腰部の安定性に繋がるのです。

 

2.胸椎の可動性を高める

胸椎の可動性を高めることは腰痛予防のために非常に重要です。

先ほどお伝えしたエロンゲーションを行うためにも、しっかりと胸椎が抗重力方向へ動いていくことが必要になります。

また、腰痛をお持ちの方は、腰椎と胸椎を分けて動かすことが非常に苦手な方が多いです。

そこで、胸椎のみを単独で動かすために重要な身体の部位が肩甲骨になります。

肩甲骨の動きは肋骨や胸椎と連動して起こるため、胸椎の可動性を高めるために肩甲骨の動きをしっかりと意識することが非常に大切になります。

 

肩甲骨の動きで胸椎の動きを誘導する方法

これから、肩甲骨の動きを通じて、胸椎の動きを誘導する方法をお伝えします。

 

肩甲骨の基本的な動き方

はじめに、肩甲骨の動きを整理しておきます。

肩甲骨には次の4つの動きがあります。

  1. 前方突出
  2. 後退
  3. 上方回旋
  4. 下方回旋

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肩甲骨と胸椎の連動

肩甲骨と胸椎は次に示すような動き方の組み合わせがあります。

肩甲骨  胸椎 
  両側の前方突出   屈曲 
  両側の後退   伸展
  片側の前方突出
  反対側の後退
  回旋
  片側の上方回旋
  反対側の下方回旋
  側屈
  両側の前方突出
  +肩関節屈曲
  伸長
  両側の後退
  +肩関節伸展
  伸長

 

上記を踏まえて、できるだけ骨盤(腰部)は動かさないように肩甲骨を動かしていくことで自然と腰椎は安定させたまま、胸椎のみを動かすことができるようになります。

ぜひ挑戦してみて下さい!

 

 

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