Wataru@理学療法士・予防運動アドバイザーのカラダブログ

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脚の長さの左右差に注意すべし

本日は脚の長さの左右差についてのコラムです。

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目次

 

1. 脚の長さの左右差とは

医学的には脚長差と呼ばれていますが、左右の脚の長さに3cm以上差がある場合のことを指します。

 

その場合は、補高といって、靴底を少し高くして調整することが多いですが、1cm未満の左右差については許容範囲内とされ見逃されているケースがほとんどです。

 

しかし、1cm以内の左右差でも実際に歩いた時の身体の崩れに影響したり、それが長時間積み重なった結果、身体のあちこちにストレスが重なり、痛みや側弯などの変形の原因となることが多いです。

実際の研究報告でも1cm以内でも脚長差があることで、筋力の左右差ができたり、筋電図上で筋活動の左右差が認められたと言われています。

 

実際に現場で側弯症の方を大勢見ていますが、非常に多くのケースで1cm未満の左右差を認めています。

脚の長さに左右差があると、骨盤の高さに左右差が生じ、結果として腰椎の弯曲を強めてしまうケースがほとんどです。

数mm単位からでも補高を行うことによって、腰部にかかっている過度なストレスが軽減することも多く経験しています。

 

2. 脚長差の分類

脚の骨の長さそのものに左右差が生じる「構造的脚長差」と股関節の左右への開き具合の差や骨盤の高さが原因で見かけ上左右差が生じる「機能的脚長差」があります。

 

構造的脚長差が起きる原因としては、股関節をはじめとした下肢の障害によるものに加えて、成長期に下肢にかかるストレスの左右差も原因の1つと考えられています。

成長期に存在している成長軟骨はHeuter-Volkmann則という法則に従って成長します。

これは、成長軟骨への過度な負荷は骨の成長を抑制し、適度な負荷は骨の成長を促進するという法則です。

実際に陸上競技選手(短距離、長距離、跳躍選手)の脚長差を調査した結果、90%以上に脚長差を認めたとの報告もあります。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspfsm1949/35/4/35_4_200/_pdf

 

 

3. 脚長差への対処

機能的な場合は、見かけ上なので、適切なエクササイズの指導や身体の動かし方の癖の改善で解決するケースも多いですが、構造的な場合はやはりインソールのような道具で補填する必要があります。

実際にどの程度補填するべきかは、各種整形外科的テストによるチェックと姿勢・動作・歩行を総合的に評価した上で決定していきます。

脚の長さを的確に評価し、対処できるために以下のページの内容もオススメです!

www.healthfoundation.or.jp

 

 

 

 

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