Wataru@理学療法士・予防運動アドバイザーのカラダブログ

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頭位が偏位する原因

本日は頭位(頭の位置)についてのお話です。

写真館などで写真を撮ってもらうときに、カメラマンに頭の位置を直される方は多いのではないでしょうか?

私たちは少なからず、身体の左右差を持っており、頭の位置についても左右へのズレが多くあるのは事実です。

しかし、この頭位のズレの結果として、身体に様々な影響があることは意外と知られていません。

今回はこの頭位のズレについて深堀りしていきます。

 

目次

 

頭位が偏位する原因

1.咬み合わせの問題

咬み合わせの問題により頭位が偏位することは非常に多いです。

ここで影響してくるものの1つが噛み癖と頸部の可動性の関係です。

試しに右の奥歯を咬み合わせた状態で右を向いたり左を向いたりしてみて下さい。

 

おそらく、右には向きやすく左は向きにくくなったのではないでしょうか。

次に反対側をやってみると見事に逆転すると思います。

頸椎は回旋すると、回旋した側に頭が偏位する傾向がありますので、普段片側で咬む癖があると頭位の変化として表れてきます。

また、頬杖をついたり、横向き寝の癖、左右差があると下顎の位置も変化し、その結果として噛み癖になることもありますので、注意が必要です。

 

2.頭の形の左右差(斜頭)

私たちの頭の形ですが、左右差があることがあります。

斜頭といって、左右どちらかの後頭部が平らになってしまっていることがあります。

この原因としては乳児期の寝方になります。

乳児期に左右どちらかの向き癖があると、向いている側の後頭部が平らになり、頭の形が変化していきます。

File:Single suture synostosis.png

これにより、頭部の質量の偏位が生じるため、頭位のズレとなって表れます。

また斜頭と合わせて頸部の筋力の左右差が認められるケースも多いです。

 

3.平衡感覚・視聴覚の問題

めまいを始めとした平衡感覚の問題が表れる場合、頸部の運動の左右差とそれに伴う頭位の左右差が生じることがあります。

私たちの耳の中(内耳)には平衡感覚を司る部分(前庭と半規管)があり、目の動きと連動して身体の傾きや回転を検知しています。

この部分で問題が生じてしまうと、頸部をある方向へ動かすとめまいが生じてしまったり、また、目の動きが制限されそれによって頭位の中間位(ニュートラルポジション)を取れなくなってしまうことがあります。

 

また、同じ耳の問題で聴覚に左右差があるケースもあります。

私たちには利き手があるように利き目や利き耳があると言われています。

聴覚の左右差や利き耳によって、日常生活の中で頭頸部を動かす際の左右差が表れ、それによって頭位のズレに繋がっていくケースも考えられます。

 

頭位が偏位することによって起きる現象

頭の重さは約5kgありますので、その位置が本来あるべき適切な位置に無いことが原因で頭位が偏位することによって、次のような症状が表れることがあります。

  • 頭痛
  • 首こり、肩こり
  • 肩の痛み
  • 背部痛、腰痛
  • 膝痛やその他下肢の関節の痛み
  • 機能性側弯症

頭の位置を適切な位置に整えることで、様々な症状が軽快することも多いです。

ヒトの姿勢や身体の動きを評価する際には、その局所だけでなく、どのような繋がりでストレスが生じてきているのか、そのストレスの出どころは頭部から下行している要素か足部から上行している要素か、それとも両方の組み合わせなのかどうかなど、全身をしっかりと統合して考えることが重要ですね。

 

頭位をいかにして中間位に整えていくかの方法はまた別の記事でお伝えします!

 

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